インターネットが今ほど当たり前じゃなかった時代の話だ。
パソコンは一家に一台あるかどうか。スマートフォンなんて影も形もない。それでも俺は、画面の向こうにいる誰かと繋がろうとしていた。
チャットルーム、オフ会、テレクラ——今の若い世代には伝わらない言葉かもしれない。でも当時、それは紛れもなくリアルな「出会いの現場」だった。世の中にまだ「出会い系」という言葉すら存在しない頃の話だ。
出会いの現場は変わった。でも、人間は変わらない。
あれから30年近くが経った。
出会いの手段は激変した。テレクラは消え、出会い系サイトが生まれ、SNSが普及し、今はマッチングアプリが当たり前になった。ツールは洗練され、便利になった。
でも俺が見てきた「人間」は、何も変わっていない。
誰かに会いたい。話したい。認めてほしい。温もりがほしい。——その根っこにある感情は、チャットルームで震える手でキーボードを叩いていたあの頃と、今のマッチングアプリで「いいね」を押す瞬間と、まったく同じだと思っている。
離婚して、気づいたこと。
40代で離婚した。高校生になった息子と二人で暮らしている。
離婚直後は、正直、恋愛どころではなかった。子育て、仕事、生活——それだけで手一杯だった。それに、どこかで思っていた。「もう俺には関係ない話だ」と。
でも、ある夜気づいた。
俺はまだ、誰かと話したいと思っている。誰かの笑顔を見たいと思っている。それは歳をとっても、バツイチになっても、子供がいても、消えるものじゃなかった。
それから俺は、また動き始めた。恐る恐るマッチングアプリを入れて、プロフィールを書いて、メッセージを送った。今も、大切な人がいる。
なぜ、このブログを始めたのか。
同世代の男たちと話すと、こんな言葉をよく聞く。
「もう歳だから」「バツイチだし」「子供がいるから無理だろ」
その言葉を聞くたびに、俺は思う。めちゃくちゃもったいない、と。
諦める理由を並べることに、いつの間にか慣れてしまっている。でもそれは本当に「無理」なのか。それとも、踏み出す方法を知らないだけなのか。怖いだけなのか。
俺はこのブログで、綺麗事を言うつもりはない。テクニックだけを並べるつもりもない。ただ、自分が経験してきたことを、本音で話す。それだけだ。
このブログが、届いてほしい人へ。
恋愛を諦めかけているかもしれない、めちゃくちゃもったいない同年代の同志へ。
ツールは変わった。でも、やることの本質は昔と同じだ。勇気を出して、動く。それだけだ。
俺はまだ現役だ。あなたも、そうであるはずだ。
佐倉 ケンジ
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